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2020年大学入試改革と学習指導要領の改訂を図解します!

特集 英語情報

2019年度が始まりました。2020年に「大学入試のシステムが変わる」「学校の授業内容が変わる」と大慌ての様子ですが、これはそれぞれ、「大学入試改革」と「学習指導要領の変更」の開始がたまたま同時期に起こるため、何もかもが2020年に変わるような錯覚に陥っていますが、実際は数年をかけて変化をさせていきますので、その流れを追っていきます。

上記の図をご覧ください。入試と授業と2項目に分けていますので、それに沿ってみていきます。

大学入試改革とは

①大学入試改革は2020年度(最初に実施されるのは2021年の1月から)に開始されます。すでに多くの報道で述べられている通り、いわゆる「センター試験」が廃止され「大学入学共通テスト」が実施されるようになります。先行実施の文字通り、本格実施となるのは2024年度からです。それまでの4年間は移行期間となり、特に英語の科目では特別な対応となります。

大学入試改革のポイント

今回の大学入試改革のポイントは以下の通りです。

大学入学共通テストにおいて…
①英語の試験がリスニングとリーディングの割合が50:50になります。
②国語と数学で記述式の問題が出るようになります。

さらに英語に関しては
①大学入試センターが認めた民間の4技能試験のスコアを活用できます。
となります。

上記の状態で4年経た後…

大学入学共通テストにおいては
①英語の試験がなくなり、民間の4技能試験のスコアのみが求められます。
②理科と社会の科目においても、記述式の問題の導入が検討されています。

という変化が起こります(予定)。

大学入試改革で予想されること

AIEは英語の学校ですので、国語と数学 の記述問題については専門外のため割愛しますが、英語に関しては非常に大きな変化が確実に起こります。まず、2020年度から2024年度に高3生になる移行期間の学生は3つの試験の対応が求められます。すなわち
①大学入学共通テスト
②4技能試験(英検、TEAP、TOEFLなど)
③各大学が実施するテスト(一般入試)

です。
もちろん、選ぶ大学にもよりますので一概に言えませんが、国公立大学の場合は、上記3つが必須となります。高校に入ってからの3年間の間にこれらすべてのテストの準備をすることは容易ではありません。せめて②の4技能試験だけでも早期に終わらせたいところですが、提出可能な試験は高3の4月から12月までに受けたテストのうち2つという制限があります。そのため結局は高3の1年間に3つの試験を受け、そのための対策をするしかないのです。 現状の方針では東大をはじめとして旧帝大のうち6校は②の4技能試験は必須とせず、同程度の学力があることを学校長が認めたという趣旨が記載された書類提出があれば不要とされていますが、この方針もこの4年間の間にどのように変わるかは不透明です。どういう形になるにせよ、早めに英語力のブラッシュアップを行い、自分の目指すレベルの英語の民間試験は高2までに一度取得し、ゆとりを持って高3時にとれるようにするしかないでしょう。

高まる安全志向。狭まる門戸。

こういった大学入試改革における情報が聞こえ出しているため、この2019年の受験トレンドも変わります。これまで以上に、AO、推薦入試、センター利用入試に人が流れること、また翌年以降の入試が大きく変わるため、この1年で大学を決めるために安全志向が高まり、ランクを落として確実に合格できる大学を目指す傾向が予想されます。これには大学の「定員充足率の厳格化」という、上記の「大学入試改革」、「学習指導要領の変更」とは別の要素が絡みます。これは都心部に大学生が集中しないように、大学の規模に合わせて定員以上の合格者を出さないようにするための施策です。具体的には、大規模大学(生徒数8000人以上)では生徒100人の定員に対して、110名以上の合格者を出した場合、助成金がカットされるというものです。この倍率、2016年から徐々に厳しくなり2018年度は1.1倍で2019年度は1.0倍になるという情報でしたが、さすがにそこまでできないということで、逆に0.95~1.0倍に収めた場合は助成金を増やすというインセンティブ方式がとられることになっています。 (下図参照)

大学の運営には助成金が不可欠ですので、大学側はこのルールを厳守せざるを得ません。この施策もあり、大学側も数が読めない一般入試で生徒を取るよりも、大多数を内部からの接続、AO,推薦入試で固めてしまい、一般入試の窓口を狭めたのが2018年度でした。その結果各大学の一般入試とセンター利用での合格者が減り、実質的な合格最低点の上昇がなされ、A判定が出ていた学生が落ちるという、これまででは考えられないようなことが起こったのです。

学力<経済力?

この流れを受けて、学生も保護者も何とか安全に合格したい、となるのが人間心理です。一般入試が難しいとなると人気が高まるのが、AO入試、推薦入試、センター利用入試です。AO、推薦入試には学校の成績も要求される場合もありますし、ほとんどの場合、英検などの学力を証明する資格も必要とされます。またセンター利用では、実際に受験をしに行く必要がないため、費用さえかければ多くの大学、学部に申し込みができるため、どこかに合格さえすればいいという発想であれば、自分の偏差値以上の大学に合格することも可能です。こうして結果的に文科省が危惧していた、多くの受験生が経済力などの影響を受けないような形での受験を行うという目標が、AO、推薦で他者との違いをアピールできる経験を多く持てる学生や、数多くの高額な民間試験を何度も受けれる学生、それこそセンター利用をたくさんできるだけの経済力を持つ学生に有利に働いてしまうことが予想されています。

大学入学共通テストの方が大変?

英語に関しては、4技能テストが注目を集めていますが、従来のセンター試験に変わる大学入学共通テストの英語もなかなか大変です。配点が変わることもそうですが、それよりも内容の変化に要注意です。また、2020年度から始まり、4年後に終わることを考えると、過去問や予想問題集なども現在のセンター対策のように、潤沢に出版されることも考えにくく、問題数をこなして対応することも難しくなることが予想されます。ここからはそれぞれのセクションにフォーカスを当てて解説します。

リーディング

リーディングでは全体的に単語数が増えます。これまでの平均約4200語から5400語に増えます。2012年から平均して4000語台を推移していましたが、ここにきて一気に5000語を超えていきます。試験時間が従来通り80分として、問題を解いたり、考えるのに30分を使うとして、50分ですべての英語を読み切るには108WPM(Words Per Minute) が必要です。平均的な高校生のスピードが60WPMと言われていますので、その調子では読み切ることすら怪しいレベルです。
こちらで自分のリーディング速度を図れますので、ぜひ試してみてください。

また、発音、文法、語法問題がなくなり、すべてが長文問題になり、その問題の指示も英語で出されます。合わせて日本語での注釈がなくなります。さらにその答えも複数の組み合わせが考えられるなど、答えが一つとは限らない問題が出るようになるそうです。そして出題のレベルも英検2級以上のレベルの問題が6割以上となります。結果として、英語の知識も当然ですが、それ以上に語数の多い長文を効率的に読み、必要な情報を検索し処理する能力が求められます。そのためにも、普段から多種多様な英語に触れ、英語の引き出しを多くしておくことは欠かせません。

リスニング

リスニングでは、読み上げ速度がアップします。1分間に120語の読み上げが1分間に140語となります。と言ってもこれはそこまで早い速度ではありません。この1分間に120語というのは、オバマ前アメリカ大統領の大統領就任演説ぐらいのスピードです。代々、アメリカ大統領のスピーチは多くの人にメッセージを伝える必要性から、英語の難易度も低く、またそのスピードもゆっくり目です。
日常会話で行くと大体ネイティブのナチュラルスピードが1分間に160~200語ですので、日ごろからネイティブとナチュラルスピードで話す機会をつくっておけば、問題はありません。ちなみにアメリカのラッパー、エミネムのある歌では、6分4秒の歌詞の中に、1560単語、つまり1分間に約260語しゃべっています。さらにその曲の中の最速のパートでは、15秒に97語、1秒に約6.4単語という、とんでもないスピードになっています。そこから見れば、楽勝でしょう!

それよりも、読み上げが1回のパターンの出題もでることの方が大きな問題かもしれません。これまで、1回目であたりをつけて、2回目で確信してマークできていたのが、1回勝負となりますので、これまで以上の集中力が必要です。これら以外にも複数の話者が会話をする内容を聞くパターン、アメリカ英語だけでなく、イギリス英語やノンネイティブの英語も入る予定だそうです。そしてリーディングと同じく、答えが1つと限らない問題も出てくるそうです。

大学入学共通テスト、英語におけるまとめです。

①難易度は英検2級レベル以上。
②知識の量と同時に処理速度が問われる問題構成
③語彙の少なさは致命的
④多種多様な文章、英語の音声に触れておくこと(アメリカ英語だけになれると他国の話者に対応できない例が多数あり)

学習指導要領における変化

ここからは学習指導要領における変化についてです。そもそも学習指導要領は2020年に一気に変わるわけではありません。小学生⇒中学生⇒高校生の順番で順次変更されていきます。
学習指導要領は前回、2011年の変更から約10年ぶりの変更となります。2011年には「脱ゆとり教育」を掲げ授業時間の増加やテキストのページ数の増加(それに合わせてランドセルの大きさも変わりましたね)などを盛り込み「何を教えるか」に焦点を当ててきました。
そして今回はそこからさらに「何ができるようになるか」という点を明確化し、
①知識、技術の取得
②思考力、判断力、表現力など、答えのない時代を生きるための力
③学びに向かう力、人間性の向上
という目標を掲げています。さらにそこから突っ込んで、「何を、どのように学ぶか」を具体化し、
①学校ごとのカリキュラムマネジメント
②主体的、対話的な学び(アクティブラーニング)、を中心に据え、協働力を高める工夫、
その他、教科横断的な思考法の訓練、現代の諸課題に対応した教材の選択、そして、小学生から始まるプログラミング教育や、4技能をバランスよく伸ばす英語教育を盛り込んでいます。

英語指導における、現学習指導要領における課題とは

プログラミングやアクティブラーニングの話も大変興味深いのですが、AIEは英語専門校ですので、英語の指導について突っ込んでいきます。そもそも、現状の指導要領でも4技能をバランスよく伸ばすことになっていますので、そのままでも問題がないはずですが、現場では決してそのような組み立てにはなっておらず、
①学年が上がるほど、学習意欲が低下する
②各学年間の英語学習の接続が悪い
という大きな課題を抱えていました。そこで以下のように、新指導要領では「何ができるようになるか」という観点から、国際基準(CEFR)を参考に、小・中・高等学校を通じた5つの領域(「聞く」「読む」「話す(やり取り、発表)「書く」)別に目標を設定しています。

本当に学校の英語は変わるのか?

指導要領に明記された内容ですので、これらの目標を達成するために、学校はこれらの改定に従う必要があります。一方では現場の対応が追い付いていない実態もあります。上記の英検取得率と合わせて、高校と中学の教員に対して行った調査では、英検準1級以上の英語力を有している英語担当教員の割合は2017年度で高校の教員で65%、中学の教員で33%となっています。大変失礼ながらこの英語のレベルで英語を英語を使って教えるということは、かなり難しいと言わざるを得ません。逆に日本語で英語を教えたほうが、生徒の理解度も高まり、結果的に英語の力が高まることは確実です。そうなると、やはり現場の状況が優先され、英語で英語を教える環境はなかなかできないことが予想されます。
また小学生においても、従来小学生の教員に対しては英語の力は問われていなかったため、英語を教えるための現場的なノウハウが不足しています。そのために指導要領と検定教科書、そして指導書があるのですが、もともと専門外の内容を教えるということの負担は大きなものです。 ある小学校では、ALTが来た時の通訳を、先生ができないので代わりに帰国生の子がやっていたという、少し笑えない話もありました。 これも、普段英語を話す環境になかった教員にネイティブと普通に会話し、同時通訳を行い、30名近い生徒の英語の学習状況のすべてを把握しろというのは少し酷というものです。
AIEでも、テキストとマニュアルとシラバスを渡すので、数学を教えてくださいと言われても、困ってしまいます。専門外である上に、書いてあること以上のことを教えられないからです。大体、教科書に書ける範囲というのは、紙面のスペースの問題や、内容をわかりやすくするという目的のために、基本の原理原則を書いて終わりとなります。例外を書いていけばきりがありません。しかし子供の好奇心や関心は、場合によって教科書の内容を超えることも少なくありません。予想もしない質問が飛んできた時、子供が納得できる答えを用意できない場合、無理矢理に「こうだから覚えなさい」で終わってしまうと、子供のせっかくの好奇心の芽を摘んでしまうことになります。
だからこそ、専門の分野の担当が専門知識を活かして、子供が英語を学ぶことを心から楽しめるように準備をしっかりとする必要がありますが、まだまだそこまで達成しているかと問われると、まだまだ途上という印象です。
ただ、学校の英語教育が舵を切り始めることは間違いないですので、そこにお子様を預ける保護者の皆様には、学校での英語指導についてはより気にかけていただき、どんなことを学んだのか、使っているテキストは何か、楽しんでいるのか、ぜひ会話をする機会をつくっていただきたいと思っています。

周りに流されずに、お子様に合った英語の伸ばし方を模索すること

最後に、巷の雰囲気が、大学入試が大変になる、小学校でも英語が始まる、英語でクラスを受けるなんて大変、4技能試験を受けないといけない、となっているため、ご本人様以上に保護者の方があわてていらっしゃるように感じます。大切なことはきちんとした情報収集をすることと、お子様の気持ちを捻じ曲げてまで「有利だから」「しておかないと困るから」だけで英語を何とかしようとされないことです。そうして無理した場合は、どこかで本人が英語を嫌いになってしまいます。まずは、英語を好きになること、英語を使う楽しさを知ったお子様は必ず英語の力も伸びていきます。万が一、英語の力が試験で結果として出なくても、最終的に英語は言語ですので、コミュニケーションツールとして使えればそれでOKです。その時に、ちょっときれいな英語でコミュニケーションができるだけの英語の基本は身につけておきたいですね。目指すのは、自らの可能性を広げるための英語の取得です!

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