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新形式英検における、ライティングの重要性について

今日は、新形式英検におけるライティングの重要性についてです。

その前に最近はやりの生成AIで遊んでみました。CLAUDE3で以下のプロンプトを入れてみましたので、結果と合わせてご覧ください。

あなたはプロフェッショナル英語講師です。英検のプロとしてお答えください。英検が2024年から変更になります。この変更にあたり、学習時に気を付けるべき点を教えてください。

回答は以下の通りです。

英検の変更に伴い、以下の点に気を付ける必要があります。
■話す力の重視
2024年の新英検では、話す力がより重視されます。発音、イントネーション、語彙力、言い回しなど、総合的な会話力が問われます。日常会話の練習に加え、プレゼンテーションの実践も効果的でしょう。
■多様な話題への対応
これまで以上に幅広いジャンルの話題が出題される見込みです。ニュース、経済、科学技術、文化など、様々な分野の時事トピックに精通しておく必要があります。
■ロジカル思考力の向上
状況に合わせて的確に意見を述べたり、根拠を提示したりする力が重要視されます。クリティカルシンキングの訓練を怠らず、論理的な考え方を身に付けましょう。
■長文理解とまとめ力
長文読解問題も進化し、要約力が試されます。速読とメモ取りの技術を磨き、簡潔に要点をまとめる練習をしておきましょう。
変更点を把握し、それに対応した学習を心がけることで、新しい英検に備えられるはずです。学習意欲を持ち続け、着実に力をつけていってください。

嘘ばっかりですね…。もっともそれらしいことを書いていますが、どれも実際に、英検を受験しようとしている生徒からすれば、すでに知っているような情報です。話す力は2次試験ですし、多様な話題、ロジカル思考の重要性は以前から変わらずです。要約力が試されると書かれていますが、本来ここが一番大事な点です。

ということで、生成AIを使う時の注意点がまとまっています。自分がその道のプロで無ければ、なんとなくまとまった文章を見て、そうなのかと、納得してしまいますが、何の役にも立たない情報をそれらしく投げてきますので、注意してください。自分にその分野の知見がなければ、現状のAIの活用は危険です。

これまでの採点方式のおさらい

さて、今回のテーマは「新形式英検におけるライティングの重要性」です。2024年から3級以上、つまりすでにライティングが入っていた級については、ライティングの問題にこれまでの①意見論述に加えて、②Email問題、もしくは、要約問題が増えることになります。では、今回ライティング問題が増えた理由について、考えたことはありますでしょうか。英検のサイトには、「新たな英語能力観を反映した出題形式を取り入れてリニューアルする必要がある」と書かれているのですが、これはあくまで建前で、本来の目的は「難易度調性(難化させる)、各技能間の不平等の是正」であると考えられます。

2023年度までの英検は、特に2級以上の上位級ほど、ある必殺技ともいえる、合格のための近道が存在しました。それは、「ひたすらライティングにリソースをさき、ライティングで満点を狙う」というものです。特に低学年での準1級、1級の合格には、このライティングの得点アップと、得意なリスニングの強化が最短の手法でした。なぜこのようなことになったかというと、英検の採点方法にその理由があります。英検の採点方法は2015年から、各セクションごとの正答数(素点)をCSEスコアに換算し、そのCSEスコアの合計点が合格点を超えれば、合格と判断されます。また、その素点ごとに与えられるCSEスコアは、回ごとに異なり(難易度により、難しい回は素点が低くてもCSEスコアが高くなる)ようになっており、それまでのように単純に正答数がいくつだから合格、正答率が○○%だから合格、という単純なものではなくなりました。AIEでは、2015年からこの素点とCSEスコアとの関連性を追い続け、合格基準素点を理解することで、足りない所を集中的に学習することで、多くの合格者を送り出してきました。

さて、上記を見ていただくとわかるように、リーディングの素点は、41~30点、リスニングはほぼ30点、ライティングだけ16点となっています。これにより、ライティングの1点の重みがかなり変わってきます。以下は準2級のリーディングとライティングのCSEスコアの上昇具合をグラフ化したものです。

これを見ていただけるとわかるように、ライティングの素点1点が他の問題の素点4~5点分に相当します。コツコツと単語を覚えて頑張るよりも、えいやっとライティングに力を入れて、表現をたくさん覚えて上手に組み合わせて書く、こうすることで、CSEスコアが一気に上がります。英検の合格基準に、各セクションの最低CSEスコアというものが存在しない(もちろん、どこかのセクションが0点の場合は必ず不合格になりますが)ため、一つの技能が突出していれば、合格が許されます。実際に2級で、2級 R:11/38 W:16/16 L:10/30 でも合格した生徒がいます。正答率は驚きの44%ですが、ちゃんと合格でした。このように、英検の合格だけを目指すならば、1つ点数が上がればCSEスコアの上昇も大きくなるライティングに力を入れよう、というのはシステム上当たり前の戦略だったのです。

ライティング問題の増加理由は、各技能の素点数の均等化?

そこで新しい形式では、ライティング問題が増加しました。ここで大事なのは、ライティングが増えたことではなく、それにより素点が何点になったか、が大事です。現状これについては明らかにされていません。英検協会に尋ねましたが、教えてくれませんでした。ですが、それぞれの観点がどうなるかは教えてくれています。3級と準2級のEmail問題は、構成の視点がないため、内容、語彙、文法の3観点でそれぞれ4段階ずつですので12点、2級以上の要約問題は、構成の観点が入るため、内容、構成、語彙、文法の4観点でそれぞれ4段階ずつで、16点、が予想されます。あくまで予想ですので、間違っている可能性はあります。また、CSEスコアの分配についてはわかりません。例えば準2級は600点満点ですが、要約問題と意見論述それぞれが300点ずつとなっているのか、満点の場合、250点、350点などと差がついているのは不明です。こればかりは実際の配点を分析するしかありません。また、1級はすでに1つの観点を8段階で見ており、意見論述だけで32段階です。これに要約も32段階で合計64段階となったら、これまでの逆の現象が起きるので、これも実際の配点を見る必要があります。このような不確かな点があるとはいえ、現状以下のように配点になることが予想されます。旧タイプとの比較を見てください。

いかがでしょうか。実はライティング問題数の増加に伴い、リーディングの問題数が減少し、3つの技能の素点がほぼ30点に近づくようになりました。これにより、以前のように素点を1点あげても4~6点しかCSEスコアが上がらなかったリーディングと、素点を1点あげれば20~40点もCSEスコアが上がったライティングとの差が、ほとんどなくなります。ここからCSEスコアがどのように配点されるかが大事になりますが、これは今回のテストから分析するしかありません。何はともあれ、平均化が行われるということは、これまでのように、ライティングの1点と、リーディングの1点はそんなに差が出てこないはず。となれば、ライティングの強化はそこまで重要ではない…? そんなことはありません。新形式こそ、ライティングが命です。

ライティングを書かないとどうなる…?

AIEでは内部の生徒向けに模試を行いました。そこででた傾向の一つに、準備が不十分な生徒ほど、ライティングを白紙で出してきました。単純に時間がなかったのかもしれませんが、答え方がわからない場合、白紙で出してしまうことがある、ということは理解しておく必要があります。では白紙の場合どうなるか。これはほぼ不合格になると思って間違いないでしょう。旧型式の英検のライティングでは、何かしら1段落でも書けば各観点から1点ずつ、合計4点はもらえました。CSE的にはスズメの涙程度の点ですが、点はもらえます。ほかのリーディング、リスニングさえよければ、合格の可能性はあります。
逆に白紙の場合は、有無を言わさずゼロ点です。上記の各セクションの最高得点と、1次試験の合格点を見ていただくとわかりませすが、1技能がゼロ点の場合、2技能が満点でも絶対に合格できないような配点になっています。例えば3級は1技能につきCSEスコアが550点ですが、合格点は1103点。2技能満点で1100点となり、3点足りません。では新形式ではどうなるかというと、ライティングの2問ともが均等に配点されているとして、片方を満点で、片方が、ゼロ点の場合、CSEスコアは、最高点の半分になります(予想)。2級なら32点中16点ですね。この点数、旧型式では16点中8点に相当します。最初の画像のように、どの級もライティングは合格基準点には10点以上必要ですので、一気に合格が難しくなります。しかもあくまでもう片方が満点という前提です。片方で満点をとれるライティング力があれば、おそらくもう片方が白紙ということはありません。そのため、片方を白紙で出した生徒さんというのは、ほぼほぼライティングが、満点中50%以下、下手すれば30%以下(2級なら32点中10点以下)の点数となります。これでは、ライティングが足を引っ張り、合格は難しくなります。

時間配分を事前に考える

ライティングと、他のセクションとの違いに、当たり前ですが、他のセクションはマークシートで、ライティングは手書き(タイピング)ということが挙げられます。マークシートは時間がなければ、適当に3番!と塗りつぶせば、答えたことにはなります。白紙で出すぐらいなら、好きな番号を塗ろうよと、そうすれば、運が良ければ当たるかもしれませんし、そもそも塗りつぶしに時間はかかりません。一方ライティングは書きあげるのに時間がかかります。中途半端で書けたものを出しても、高得点は期待できません。Email問題だけが増えた3級に関して言うと、他の問題数が変わらず15分も筆記試験の試験時間が伸びました。従来の約1.3倍です。テンプレートが入っていればそんなに時間はかかりませんが、ライティング1題には15~25分かかる想定とすれば、どの級においても2題になると全試験時間の半分をライティングに費やすことになります。

そのため、旧型式に慣れているほど、ライティングの時間をいつものように残していると、圧倒的に足りなくなる、ことがおこります。これに対抗するには①ライティングから取り掛かる、②模試を通して時間配分を想定して勉強する、の2択です。ただし、現状の問題集、特に過去問では、問題数も旧来のままになりますので、気を付けてください。もし自前で問題数を合わせてやりたい場合は、英検のサイトから過去問をダウンロードして

4級・5級 そのまま
3級 Eメール問題を追加。解答時間を65分とる。
準2級 P3のNO16∼20を解かない。P6を印刷しない。Email問題を追加 解答時間を80分とる。
2級  P6のNO18∼20を解かない。P10-11を印刷しない。要約問題を追加
準1  P4-5のNO15∼21を解かない。P8-9を印刷しない。要約問題を追加

で即席の模試が完成します。とにもかくにも、ライティング問題を白紙で提出しないように、事前準備をすることが大切です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。本当は新形式のライティングの攻略法もお伝えしたいところですが長くなりますので、ここまでにしておきます。興味のある方はぜひお問合せ下さい。ただいま、英検直前対策講座も実施しています。詳しくは以下のPDFをご覧ください。

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