中1期末の英語の点数が軒並み下がる中、90点以上が続出する理由を、英語専門校が詳しく図解! 英語には早期学習が効く!
神戸の御影、岡本、芦屋、西宮にある、英語・英会話スクールのAIE英語専科です。
今年から中学校の学習指導要領が変わりました。大体10年に一度変更される学習指導要領ですが、今回の指導要領の変更は英語の教科においては非常に大きな意味を持ちます。というのは、確実に難易度を上げる変更となったからです。
これは2020年に行われた小学生における学習指導要領の変更の影響が色濃くあります。この指導要領の変更により英語が5年生から正式に教科となりました。そして、1年がたち2021年の中学生の指導要領の変更を経て、小学校~中学校にかけての英語教育には、具体的には以下のような変化が生じています。
項目 | 旧学習指導要領 | 新しい学習指導要領 |
---|---|---|
単語数(小学校) | 規定なし | 約600~700語 |
単語数(中学校) | 約1200語 | 約1600~1800語 |
単語数(中学校卒業時) | 約1200語 | 約2200~2500語 |
文法事項 | ①高校文法から単元を前倒し 仮定法過去 原形不定詞 現在完了進行形 ②小学生の間に中1の ほとんどの文法事項を 既習範囲としている | |
指導時間(年間) | 小学校 教科としては0時間 中学校 中1 140時間 中2 140時間 中3 140時間 | 小学校 小5 70時間 小6 70時間 中学校 中1 140時間 中2 140時間 中3 140時間 |
指導方法 | 日本語と英語 | 英語(All English)を 基本とする |
上記のうち、指導方法のALL ENGLISHは無視してもらって結構です。実際にやっているところはほとんどありません。日本語でも教えにくいことを、英語でやって伝わるはずがありませんので。
<ポイント① 単語の量>
特に顕著なのが語彙力の増加です。中学卒業時には約2倍の単語数を知らなければなりません。以下の図をご覧ください。
上記の変更がスムーズに移行すればいいのですが、今年(2021年)中1になるお子様は、本来小学生で学ぶはずの2年間の英語の時間をかけて学ぶ内容が、1年分しか学習できておらず、そこお子さんが2021年に中学生に上がり、さらに本来は2年間小学校で英語の勉強をした生徒向けに組まれている、中学生の新学習指導要領を新たに学習することになるため、全体的に準備不足となっています。特に知られていない点として、中1のテキストで出てくる単語数が、3年間で実は一番多くなっているという点がポイントです。これは小学生の間に既習の単語は復習としてやって、さらに中1で新しく習う単語を入れているためです。しかしよく見ていただきたいのですが、旧来の英単語の学習数は中1時に400文字、それよりも多い単語数(700語)を小学生の間に学ぶのかなり難しいと思われます。
<ポイント② 文法の順序問題>
このように今年中1になった生徒さんは、小学校での学習が1年分(2020年はコロナの影響もあり、学期の前半はまともに英語の授業が機能していなかった小学校も多かったようです)しかないうえに、2年間英語を学習してきた生徒が受けるべきカリキュラムを受けるという、2重苦となっています。上記の表でもあるように、①いくつかの文法事項が高校生の単元から前倒しになりましたが、それよりも大事なことが、中1の文法事項で起こっています。具体的に見ていきましょう。
こちらは関西の中学でよく使用されている三省堂のNew Crownです。
これを見ていかがでしょうか。チャプターが9から8に減っているにも関わらず、文法事項としては、未来形まで入っているため、学ぶ内容は増えています。
となると、どうなるかというと、以前はチャプターを分けていたことが、1つのチャプターに抱き合わされるということです。問題点をまとめてみました。
その最たるものが、新しいテキストのレッスン①です。be動詞と一般動詞を一つのチャプターで教えています。まだisも入っていない段階でです。これにより、これまで以上にbe動詞と一般動詞を混同する生徒が増えたことは間違いありません。ただでさえ、この違いを理解できるかが中1英語、ひいてはその後の英語ライフを左右する重要なファクターになりえるにもかかわらずです。
そのほかにも、Canを学ぶ位置が、レッスン2と、以前のレッスン7から見てもかなり前倒しされています。これは会話ベースで学ぶ小学生の英語でcanを習っているから先に出しても問題ないという発想でしょう。ですが、助動詞のチャプターで一番重要なのは、助動詞の後は動詞の原形が来ることと、疑問文、否定文の際に、助動詞そのものの位置を変える、もしくは直接notを付けることで文を完成させることができるという、be動詞に通じる点です。しかし、一般動詞の基本形しか学んでいない状態では、原形の意識を持たせることは難しいでしょう。そもそも動詞の形が変わることを初めて目にするのは三単現のSを学んでからで、その後に助動詞を学ぶことで、動詞の原形の意識が芽生えます。
最後に、隙間的な文法事項がほとんど説明されないことです。お手元にNew Crownがあれば、P64をご覧下さい。命令文とhow muchの文章がわずか数行で説明されています。
そもそもそうなった最大の理由として、すでに中1のほとんどの内容は小学生での既習範囲であるという認識が、あるからです。具体的には以下のようになっており、
恐ろしいことに、三単現のS以外はすでに既習のこととして、教科書が構成されてしまっています。その結果、すでに習ったこと前提の単元は学習スピードも当然早くなり、全体として生徒もついていくのに必死という雰囲気を感じます。
<テスト出題の傾向>
そうしたテキストの変更、今年の中1の特殊性のほかに、学校の定期考査の出題方法も変わってきている点が挙げられます。その理由の一つに共通テストの存在があります。2021年施行分から、リスニングとリーディングの配点が100点ずつとなりました(配点傾斜により旧来の形にしている大学もありますが)。そのため、中1からリスニングテストを行い、配点も以前のような10~15点というのではなく、20~40点ぐらいまで伸びている学校もあります。また初見の読解問題を入れ込み、暗記型の学習方法では解けないようになっています。ほかにも100点中60点分が全文英作の学校もありました。
<英語専科の実績>
では英語専科はどうだったかといいますと、うれしいことに今年もAIEの中1生たちの多くは、中間・期末の定期考査では、95点以上を取得できました。(難関・中堅私学中及び公立中)その理由は、中1から英語学習を始めたメンバーは、英語の骨組みである文型(5つの語順)の概念を最初にしっかりと学びましたので、その視点をもって学校のテキストに十分に対応できたようです。また、日頃のクラスでも、日本語から英語にする『全文英作』に力を入れていることもあり、単語のスペル、また語順に関しては、ほぼ間違いがないようになっている生徒もいます。
そうして学んだ知識を応用して、学校の英語テキストを自分で予習できるようになったことも定期考査の高得点に結びついた要因と言えます。予習することによって、学校の授業時間が充実し、内容もよく理解できたようです。
小学生のころからAIEに通っている皆さんも、学校のテキストを余裕を持って学習できているので定期考査では、良い点数が取れています。最初の滑り出しが一番大切ですので、皆さんこの調子で進んでいけるようにしっかりとサポートできたことをうれしく思います。
<実績一部>
神戸海星女子学院中学校 99/100 97/100
神戸市立御影中学校 91/100 98/100
関西学院中学部 95/100 97/100
神戸海星女子学院中学校 97/100
神戸大学附属中等教育学校 100/100
六甲中学校 97/100
神戸大学附属中等教育学校 96/100
関西学院中学部 95/100
小林聖心(中間) 97/100
全体をまとめますと…
やはり、小学校から通っていたメンバーは成果も出ています。小学生の間にしっかりと学習を進めておけば、中学英語で躓くことはまずありません。私立中学狙いの方は小5、6年の時には塾を優先されお休みされる方も多くおられますが、小1~小4まで学び続けた方は大体中2ぐらいまでの文法事項も終わっており、AIEで学ばない間は小学校で学習ができるのでブランクも空きにくくなっています。早期学習の効果は必ず出ますので、早め早めの準備がお勧めです。
<終わりに>
今回は中学1年生にフォーカスを当てて、1学期の学習の様子を分析してみました。この後には高校の学習指導要領の変更も控えており、現中3生が高校1年生になるタイミングでまた大きな変化が生まれるかもしれません。
正しい情報を入れて、お子さまを取り巻く英語環境について理解を深めておくことは大切です。今後もAIEではためになる情報を発信していきますので、お付き合いください。