【ブログ】テスト勉強から見えること
中学校の学期末試験真っ只中です。と言っても、公立の方はすでに終わっていますし、私学でも終わったところもちらほら出てきました。
これまでのブログでも何度か取り上げましたが、AIEでは試験前には、オアシスという『試験対策講座』を開講します。このオアシスですが、AIEでは先取りが基本のため、文法事項が先に進む分、学校の定期テストの際には、以前に学習したことを忘れてしまうことがあります。たとえばですが、今年の中1は今、関係代名詞を学習しています。この1年で、中3の文法がすべて終わる予定です。そうなると、進度の速い進学校でも授業内容が中2の後半や中3の最初の方の文法事項になるため、以前に学習した内容をもう一度思い出すために、オアシスに呼んで、今学校でやっていることにフォーカスを当てて、復習も兼ねて勉強する必要があります。
よく、そんなに速い進度で文法学習を進めて大丈夫かと聞かれますが、全く問題ありません。まず、文法はあくまでルールです。スポーツするのにルールを覚えずに試合には出られません。ですので、早く覚える分には早く覚えてしまった方がいいのです。当然、先にあげたように人は忘れてしまいます。それでも、英語の勉強はスパイラル(らせん状)で学習するようにテキストができていますので、必ず、同じ単元を後で学習します。
AIEで使っているテキストで、1度しか出ない単元は、中1の範囲のごくわずかなところ(be動詞、一般動詞、三単現のSなど)だけです。それ以外の単元はまた必ず出てきます。たとえば不定詞なら、中2のテキストで初のお目見えですが、中3でも、高1でも、高2用のテキストでも出てきます。中2のころは不定詞の基本の概念を学ぶだけですが、中3になると疑問詞と合わせて使ったり、too to構文を勉強したりと、どんどん深く学習する感じです。そのため、この1年で中3の単元まで終えた中1生も、中2からは高校文法のテキストを使って、再度同じ文法内容を学習です。大体中3までに英語だけならGMARCHレベルは解けるように仕上げる予定です。
話が横道にそれましたが、今回私がテスト対策講座をしていて感じたことが2点あります。
①子どもの精神的な成長。
②学習姿勢の影響の大きさ。
この二つです。
まず①についてです。特に中学1年生は大きな変化が見られます。言わずもがな1年たてば中学生は、背丈的にも精神的にも、そして態度(?)も合わせて大きくなります。中でも自分で学習するときの集中力が以前とは全く違います。最初のころは隣の同級生にちょっかいをかけていた子も、今では自分の課題に一心不乱に向き合います。もちろん、英語の力で言うと、細かな文法ミスや、スペルミスはありますが、学習することに対するモチベーションについて、とやかく言う必要がなくなり、ラーナー(学習者)としての基本ができてきたことが一番うれしいですね。
次に2つ目ですが、これはちょっとテクニカルな話になりますが、学習スキルがついているお子さんのルーティンというか、独自のやり方を確立できているところは大人の私も感心します。結局、学習方法というものは、いろいろと他者から言われていいやり方を取り入れることもできますが、自分自身にフィットするやり方を見つけるしかありません。
その点、オアシスに来ていた中1の男の子の一人は、確実に自分のやり方を確立しています。言葉は少し良くないかもしれませんが、抜け目なく学習をしていることが良くわかります。彼の勉強方法は、まず片方に学校の先生からの試験範囲の紙を置いて、もう片方にノートとテキストを開きます。そのうえで、ノートにテキストの重要事項を写していくのですが、その際に、間違えそうな箇所すべてに○をつけていきます。そうやって、自分の意識下に要注意ポイントを置いているのです。その後、ページが終わるごとに、試験範囲の紙のページ数に○をつけて、ここは終わったということを明確にしていきます。かなり緻密です。かれこれ今回が5回目のオアシス参加ですが、毎回そのパターンでぶれません。これは高得点をとるなと思っていたら、やはり学年トップの成績を毎回とってきます。
これは勉強全般に言えることかもしれませんが、学校のテストで点数を落とすことが多いお子様は、無意識に間違っていることが多いのだと思います。自分ができる点、できない点、強い点、弱点、これらを意外とわかっていないのだと思います。何を当たり前のことをと言われそうですが、テストが苦手な人ほど、自分の得手不得手をわかっていないというのが実感です。要は意識化できていないということです。ですので、クラス中や自習中に、「○○はわかっているけど、△△が弱いよ」ということをしっかりと声を出して一人一人に伝えていくようにしています。できているところはそのままでいいので、わかっていない点をしっかりと意識に上げ、自分で注意できるようにする。そしてゆくゆくは自分で、その弱点に気づくことができるようになれば、さらにいいですね。先の男の子は自分でこれができているのだと思います。
これからAIなどにより、問題を解いたら間違えた箇所を分析して、その子に合った問題を出してくれるようになるそうです。確かに、数をこなしてできるようになることも大切ですが、AIEでは一人一人の強み、弱みをしっかりと把握してお声掛けし、お子様に必要な気づきを与えられる、そんな適切な指導ができるようになりたいものです。